くうちゃんの病気のこと その①
2022年02月22日
メラノーマ闘病記 ~ 病気との向き合い方
昨年末に天使になった愛犬くうちゃんの病気のことを書こうと思います。
下顎リンパのしこり
ゴールデンレトリバーは腫瘍が出来やすい犬種のひとつだと言われていますが、くうちゃんも7歳を過ぎた頃から、あちらこちらに小さなイボが出来始めました。
見つける度に病院へ💧
2年前には大学病院で麻酔をかけて大掛かりな検査をしたこともあります。
その時に見つかったイボ(デキモノ)は30個以上ありましたが、全て良性でしたので、様子観察で過ごしていました。
12歳の割にはとても元気で、小雪さんよりも体力があるのでは?!と思うくらいアクティブな毎日を過ごしていたある日のこと…。
それは5月末頃でした。
庭にはヤマボウシやラベンダーが咲き、ブルーベリーの実も色付き始めていました。
いつものようにくうちゃんを撫でていたら、左顎下に親指の先くらいのシコリを見つけました。
それは今までに知っているものとは感触の違う、丸くて硬いシコリでした。
病院で細胞診をしたところ、「炎症由来の細胞が多数見られる。特別悪いものは見当たらない」とのことで、抗生剤を飲み始めました。
歯肉炎などによる雑菌が下顎リンパにとんで、リンパが腫れることはそれほど珍しくないようで、くうちゃんもそれかもしれないと。
10日ほど経つとシコリが一回り小さくなりましたので、そのまま抗生剤治療を継続しました。
メラノサイト腫瘍・メラノーマ
6月中旬…。
小さくなっていたシコリが再び成長を始めました。
あっという間にピンポン玉くらいの大きさに!
成長速度が速い…。
シコリの一部を採取して病理診断に出しました。
結果は「メラノサイト腫瘍、又は口腔メラノーマ由来の転移病変の疑い」というものでした。
メラノサイトもメラノーマもメラニン色素が腫瘍化したものですが、
メラノサイトは比較的良性の場合が多く、口腔メラノーマというと悪性度が高いとても怖い腫瘍です。
詳細な診断には全身麻酔を伴う精密検査が必要だと言われました。
高度な治療を希望するなら、適した病院を紹介すると。
血の気が引きました……。
治療の選択肢 ~ 手術や抗がん剤治療をするのか?
くうちゃんの病気と向き合う中で、判断を迫られる場面が何度もありました。
どんな判断をすればよいのか?
くうちゃんにとって正しい判断は一体何なのか?
はじめの大きな判断は
「全身麻酔をかけて精密検査をするのか否か」でした。
単純に考えると「するべきでしょう!」となるのですが、私達家族は立ち止まって考えました。
●シニア犬への全身麻酔のリスク
●精密検査でメラノーマのリンパ節転移と判明した時の治療をどうするのか?
手術・抗がん剤・放射線などの治療を受けるか否か
費用の問題(ペット保険未加入)
●進行のとても速いメラノーマがリンパ節に転移している時点で癌はかなり進んでいると思われるが、
手術や抗がん剤治療にどれだけの効果が期待できるのか?
余命はどれだけ延びるのか?
●極度の犬恐怖症のくうちゃんを、動物病院に入院させるリスク
トリミングサロンに行って他犬に会うだけで、ストレス性の下痢嘔吐を生じる「犬恐怖症」
「くうちゃんは何を望むのだろう?」
この判断で、病気との向き合い方が180°変わります。
どんな判断をしてもきっとどこかで後悔の気持ちが出てくるのは分かっていました。
でも飼い主として、家族として、考えて考えて…。
私達が決めた答えは
「精密検査はしません」
でした。
くうちゃんと過ごす【時間の長さ】ではなく【時間の質】を選びました。
もしかすると、与えられる時間は短くなるかもしれないけれど、くうちゃんが楽しい時間を家族のそばで過ごすこと。
決断は、簡単なようでいて相当な覚悟がいりました。
くうちゃんがまだ若くて、更に犬恐怖症でなかったら、もしかしたら別の答えを選んでいたかもしれません。
緩和療法という選択 ~ 最悪余命3ヶ月
精密検査をしないということで、病気の詳細は不明なまま「対症療法 緩和療法」という道に進むことになりました。
この時点のくうちゃんは普段と変わらずとても元気でしたが、もしも病気がメラノーマのリンパ節転移であるならば、腫瘍の大きさも考慮すると余命は最悪3ヶ月くらいだと言われました。
メラノサイトであってほしい!と祈るような気持ちを持ちながらも、私達は最悪の事態(余命3ヶ月)を想定して、くうちゃんが元気に動ける間に、くうちゃんが喜ぶことを全力で行うことにしました。
この時既に7月上旬になっていました。
チビ助の植えたヒマワリが咲き始めていました。
※ 次回に続く ※
【くうちゃんの病気のこと その②】
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