くうちゃんの病気のこと その⑨
2022年05月08日
メラノーマ闘病記 ~ 穏やかな最期とくうちゃんの想い
くうちゃんの想いが次々と奇跡を呼ぶ
12月24日
クリスマスイブです。
もう水も何も口にしなくなりました。
12月にしてはポカポカと暖かい日でした。

昼間、庭に連れ出してハーネスを脱がせてブラッシングすると、ニコニコと気持ち良さそうでした。
もう一人で立ち上がることは全く出来ない状態になっていましたので
リビングから玄関まではマットに乗せて引きずって移動させ
玄関先の庭までは辛うじて抱っこで連れ出しました。
この頃にはずいぶん体重が減っていましたので、
数メートル程度なら非力な私の力でも抱きかかえて運ぶことが出来ました。

ブラッシングを終え、道具を片付けて振り返ると、
突然くうちゃんがおもむろにしっかりとした脚つきで立ち上がっていました。
立ち上がれるとはどうしても思えない状態なんですが…。
亡くなる11時間前の勇姿!
本当に驚きました!!
「くうちゃん!ちょっと待っててよ!!」と声を掛け
その姿を何とか写真に納めることが出来ました。
清々しいくらい気持ちの良い表情でしょ![]()
これも私を安心させる為にくうちゃんが起こした奇跡だったと思います。
そしてブルーベリーを9粒食べました。
くうちゃんのために植えたブルーベリーの実です。(冷凍保存してありました)
朝から食事だけでなく水の何も口にしようとしなかったくうちゃんが、
冷たいブルーベリーを1粒ずつシャリシャリと噛みしめていました。
この9粒も私には奇跡に思えました。
このブルーベリーがくうちゃんが口にした最後の食べ物です。

夏に収穫したブルーベリー。冷凍保存していました。
お別れの時
この日の夜、徐々に呼吸が弱々しくなりました。
それでもくうちゃんは笑顔でした。

くうちゃんの最後の笑顔の写真です。
大将と私でくうちゃんを挟んで、ゆっくり撫でながら寝転んでいました。
くうちゃんは意識が朦朧とする中、私達の姿をキョロキョロ探し、
「くうちゃん!母さんはここにいるよ」と声をかけると安心したように目を閉じて……
そんなことを数回繰り返し、12月25日 3時7分、
まるでサンタさんが迎えに来たかのようにお空へ帰っていきました。
1ヶ月前、早めのクリスマス会をした夜に
「クリスマスまで頑張れるといいね」と私が言った願いをきっと叶えてくれたんだと思います。
脱衣場での奇跡
ブラッシングでの奇跡
ブルーベリーの奇跡
何より、余命を4ヶ月も延ばしてくれた奇跡
私が強くなれるようにたくさんの奇跡を見せてくれ、
私の心の準備が出来るまで、7ヶ月もの時間をくれたんだと思います。
メラノーマという恐ろしい病気と闘っていたとは思えないような
明るくてアクティブな闘病生活が終わりました。
穏やかに、軽やかに
まるで夏に撮った写真のように
虹の橋を渡って行きました。

くうちゃんの亡骸と一緒に、家族全員で川の字になって眠りました。
くうちゃんは、朝になるまでほんのりと温かかったです。

※ 次回に続く ※
【くうちゃんの病気のこと その⑩】
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