両側ナスカンリードのアレンジとナスカンの耐荷重について
2020年09月21日
ナスカンの耐荷重に考慮したカスタムの工夫
ナスカンの耐荷重とリードの安全基準
リードに使用するナスカンには、強度基準(安全基準)があります。
日本ペット用品工業会が定めるところによると次の通りです。
「鎖・首輪・引き紐・胴輪等散歩用の製品については、適用体重の 3 倍、
繋留用の製品については適用体重の5 倍を最低強度基準と定めたい」
つまり、体重20kgのワンちゃんであれば
★ お散歩用(手引き用)・・・ナスカンの耐荷重60kgf必要
★ 繋留用(屋外飼いなど)・・・ナスカンの耐荷重100kgf必要
ということになります。
ちなみに、
「kg」・・・質量(物の重さ)を表す単位
「kgf」・・・物体にかかる力を表す単位 です。
Qoo'LABOでは、3種類のナスカンを採用しています。
小ナスカン(1.5㎝巾)・・・・・・・耐荷重100kgf
中ナスカン(2.0㎝巾、2.5㎝巾)・・・耐荷重120kgf
大ナスカン(2.5㎝巾)・・・・・・・ 耐荷重140kgf
2.5㎝巾リードには、140kgfの耐加重を持つ大きめの大ナスカンを使用します。
Qoo'SLABOで採用している2.5㎝巾のナスカンであれば
★ 手引きの場合、体重約47kgのワンちゃんまで
★ 繋留の場合、体重約28kgのワンちゃんまで
これくらいを目安にお勧めしています。
あとはワンちゃんの性質といいますか、
引っ張り癖があるかないかとか、突発行為が多いとか少ないとか
いろいろな要素を考慮して、最終的には飼い主様判断にお任せしています。
ナスカンの重さと使用感向上の工夫
耐荷重140kgfのナスカンは上述の通り非常に強健なのですが、
その分やや重さがあります。 計測してみると50gでした。
ノーマルリードのように、1本のリードに1コのナスカンであればこの50gも気にならないのですが、
両側ナスカンリードは2コのナスカンが付きますので、人によっては重いと感じるかもしれません。
ちなみに、私は大ナスカン2コでも全く気にならずに日頃使用していますが
感じ方には個人差がありますのでね・・・。
毎日使用するアイテムは、少しでも快適な使用感となるような工夫が大切です。
ワンちゃんの安全性(ナスカンの耐荷重)を第一に考えつつ、可能な範囲でアレンジしていきます。
写真の両側ナスカンリードは、片側を大ナスカン、反対側を中ナスカンで製作致しました。
中ナスカンの耐荷重は120kgfですので、ワンちゃんの推奨体重は
★ 手引きの場合、体重約40kgのワンちゃんまで
★ 繋留の場合、体重約24kgのワンちゃんまで
という計算になります。
ここで、少し話が逸れますが
昔々、学生時代に、物理の問題に【力の分解】【滑車の問題】などあったのを憶えていますか?
リードにかかる力もこの応用と考えられます。
大雑把に考えると、
リードにかかっている力の強さは
①+②=③
となります。
赤丸部分の角度などいろいろな要素を計算すると、
単純に ①+②=③ では無いのですが、ここではざっくりと大雑把に考えましょう
上述の大雑把な公式 ①+②=③ で考えると、赤丸部分のDカンに繋ぐナスカンの耐荷重は、
青丸部分のナスカンにかかる力の半分程度の耐性があれば良いという計算になります。
つまり、片方のナスカン(赤丸部分)を中ナスカンに変更しても、
大ナスカンの耐荷重47kgのワンちゃんに使用しても大丈夫だということになりますね。
大ナスカン 50g
中ナスカン 20g
ささやかですが軽くなりました
もちろん、引っ張りの非常に強いワンちゃんだとか、頻繁に繋留するような場合には
単純に大雑把な公式に当てはめない方が無難だと思いますが
状況に応じて、使い勝手の良いようにアレンジできるのがセミオーダーの魅力です
こんなのあるといいのにな~
ここをこんな風にしてもらえないかな~
などなど、どのようなことでもまずはお問い合わせください!
可能な範囲にはなりますが、臨機応変に対応させていただきます